GmbH、UG、自営業の違い
GmbHの場合
長所:
1). ドイツ社会において信用を得られる(*)点。
„GmbH“は、独和直訳すると「有限会社」ですが、その数はドイツに約115万社あり、独和直訳で株式会社となる“AG“の約1万6千社と比べて圧倒的に多くて、資本金も必要であることからその信用は高く、“GmbH“の社長である“Geschäftsführer“ のステータスも高く評価されます。
* 但し、設立後の1〜2年は金融機関での信用はまだ得られず、カンパニークレジットカードは作ってもらえず、車のリースもイチゲンさんでは非常に難しいです。
2). 有限責任である点。
あくまでも有限会社であるので、もし何かあった際、例えば何かの理由で大きな負債を抱えてしまって倒産となる場合の法的な責任追及は資本金額までです。
3) ビザがおりやすい点。
社会的な信用と資本金が、外人局に対しても信用になります。
GmbHの社長となってビザを申請すると、給与額がよほど低くなければビザは普通スムーズにおります。
短所:
費用がかさむ点。
設立の際に、Notar(司法書士兼公証人)の費用だけで€1.000,00ほどかかります。他にも登記費用約€200,00、弁護士あるいはサポート人の費用もかかります。
毎年の決算が義務付けられているので、税理士に対するその費用もかかります。
決算の費用は、売掛買掛伝票(請求書)が少なくて手間が少ない初年度でも大雑把な目安で€1.000,00程度かかります。(注: ブッキングする売掛買掛伝票の数や相談事の多さ少なさで大きく変わります)
UGの場合
UG とは、別名 Mini-GmbH とか、1Euro-GmbHと言われる形態で、ドイツ政府がより多くの起業を促すために作られた新しい形態です。
法的には資本金わずか€1,00 から設立できますが(Notar は最低でも€1.000,00からの資本金を勧めます)、そのために社会的な信用やステータスは、単なる自営業と同じく低いです。
UGは将来GmbHに切り替えることが義務・前提ですので、毎年の利益の25%は強制的に資本金が€25.000,00になるまで増資に回す必要があります。
自営業の場合
町のパン屋さんや肉屋さんなどが普通は自営業者となります。
長所:
登記が不要でNotarにかかる約€1.000,00は必要なく、市に届け出るだけなので、その費用はわずか€30,00程度ですみます。
決算の義務もありません。但し税理士に経理の月々のブッキングは依頼が必要です。その費用もブッキング伝票や相談のボリューム次第ですが、少なければ大雑把で€200,00程度で済みます。
短所:
1). 何かあった時の無限責任。
無限に個人責任(例えば個人の貯金や不動産など)を追及されます。
2). 外国人の場合はドイツでの信用、ステータスが一切ないため、ビザを取得するのに弁護士に頼らないとほぼ不可能です。
ビジネスプランが必要(*)ですが、それは単に紙に書かれた空想の売上・利益の数字となってしまうため、弁護士抜きでは外人局に納得してもらうことができません。
弁護士費用は、自分でビジネスプランを作れればひとり約€400,00、ビジネスプランもお願いすると約€1.000,00。
* 最近は、GmbHでもビジネスプランを求められる傾向になってきています。